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ナウは創作モンスター

俺が書いたマンガ置き場。雑記もあるよ!

エンタメにおける「シャッター」の便利さに改めて気がつく

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Youtubeにてモーニング娘。'16『Tokyoという片隅のPVを見ていた時に、

「ああ、シャッターって本当に便利なんだな」

と気がついた。

※上掲GIFアニメ引用元動画「シャッターカット」該当部分は(2:49~
(_ _)すまない再生開始位置指定できなかった

youtu.be

固定カメラの前で次々と写り変わるメンバー達。

ハロプロの重要な採用基準のひとつが小顔かどうかなんだよな」とか「固定カメラのフラッシュって顔の大きさを気にしているアイドルは嫌がるだろうな」とか色々な考えが去来していくうちに、なんとなく既視感(デジャブ)に襲われる。

「あ、これ(シャッター前でのカメラ目線)って、アメリカのドラマ・映画でよくある逮捕された時に身長計の前で撮影される顔写真と一緒じゃん」って。

囚人の識別顔写真を専門用語では「マグショット」と言うらしい。

 ①閉じられたシャッターが作り出すボーダーライン(横線)が、マグショットの身長計と重なるし、

②シャッター前で満面の笑顔なのは演出上違和感があるので(マグショットでの犯罪者のように)自然と真顔でカメラを見ろという演技指導になる。

これらの共通点から私の頭にマグショットが想起されたらしい。

また、

映画、ドラマ、漫画などのエンタメ世界の「シャッター」に関する自分の記憶をひもといていくと他にも共通点があるように思われる。

 

シャッターは「時間」を表現する優秀な小道具

 直接的なセリフや字幕表記に頼らずに「今、物語のなかでは何時頃なのか」「前のシーンからどれくらい時間が経過したのか」「歌詞のなかでの時系列表現」「観客へのわかりやすい空間認識座標の提供」等等をどれだけスマートに表現できるかが作家、監督、脚本家、漫画家の技量を推し量る指標となる。

そういったエンタメ上での「時間の処理」で使われるのが「小道具」なのである。そのなかでも「(商店の)シャッター」はとりわけ「時間」を表現する小道具として優秀であることに気がついた。

あたりまえのようだが、

商店のシャッターが閉まって」いればそれは「夜(結構深い時間)」であることの表現となる。

この記事冒頭で見たモー娘。メンバーのような若い娘(未成年)が「閉じたシャッター」の前に居るだけで、「深夜の街にいる若い女」ということになる。

女の子にガムをくちゃくちゃかませたり、タバコを吸わせてたり、若い男を隣に置いたり、不良っぽい服装メイクに着替えさせることなく、「シャッターの前に立たせる」だけで「深夜の街を徘徊する若い女」を過不足なく表現できるというわけだ(PVやドラマの撮影における時間的金銭的予算の抑制につながる)

さらに、

「夜の街を出歩く若い女」には「犯罪に巻き込まれる(あるいは、犯罪を犯す)」予感がつきまとう(当然エンタメのアイコンとしての話ね)。シャッターの前に立つ女がある程度年を重ねていればそれは「街娼」の表現となる(表の商売=商店のシャッターが閉まり、「裏」の商売が始まる時間を示す)

ここで、前述の「マグショット」の連想とつながるのである。

 

※夜とは関係なく、「あきらかに昼間なのにシャッターが閉まっている」場合も割とネガティブな連想につながってしまう。

「廃業した商店」

「開店時間を過ぎていても閉まったままの商店(店主になにかトラブルがあったことの露見)」

閉じられたシャッターが1つだけではなく商店街全体に及べば「シャッター街シャッター通り」となり「昔はここに立ち並ぶ商店のほとんどが利益を上げられるほど活気があったのに、今ではその需要が消え皆閉店してしまった」という、割とスパンの長い時間(=歴史)の表現となる。

 

シャッターは「楽器」でもある

手で触るとガシャガシャと大きな音が鳴ることもシャッターをエンタメを転がすための優秀な小道具たらしめる1つの理由である。

 ここで皆さん、

シャッターがたたかれている音を想像してみてください。

ガシャンガシャンガララ!

結構リアルに、上手に再生されたのではないでしょうか?

「シャッターをたたく音」は観客の認知率が高く(メジャーな効果音である)、各々の視聴者の経験則にアクセスしやすい。(とエンタメの制作者は考える)

効果的な実用例をあげると、

シャッター前でのファイト(けんか)シーン。

男Aが男Bを思い切り殴り(ドゴォ)、吹っ飛ばされた男Bがシャッターに叩きつけられる(ガシャーン)。

 脚本や演出が「とにかく本気で殴ったこと」を観客に一瞬で伝えたいケースにおいては、殴った音と叩きつけられる音の効果音ボリュームを大きくすればよい。

しかし、カメラの位置が男A男Bから離れた場所に置かれていた場合、つまり遠景で二人をとらえていた場合、殴った音「ドゴォ」の音量を大きくしてしまうと、遠いカメラと一緒に二人を見ていた観客の耳にはっきりと音を届けるのはおかしく(ギャグみたいに)なる。(拳が頬に当たってもそんなに大きな音が鳴らないのは直感的にわかるから)

 だから、ここはシャッターにカラダが叩きつけられた効果音「ガシャーン」のボリュームだけを大きくすることで本気のパンチであることを表現するのだ。

 

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TVアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」第3話「鳴らない、電話」の殴るシーンにおいては「ドゴォ」という効果音に合わせて遠景カットに切り替える演出になっている。

 

最近見かけて印象的だったシャッターを使った演出

Netflixオリジナルドラマ「火花」第1話より

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 酩酊した主人公・徳永がとっくに閉店している文房具店のシャッター叩くシーン。

このシーン、熱海の温泉街での一コマなのだが、

この「酒に酔った男が店のシャッターを叩く」アクションがもし「都内の繁華街」で行われていたら、「なんて迷惑な男なんだろう」と目を背けたくなるような不快なシーンということだけで終わっていたはずだが、このロケーションが「熱海」というだけで、何となく画面から「フォトジェニックさ」や「不思議な味わい」がにじみ出てくるのが面白かった。

www.netflix.com

 

このエントリーを書くきっかけとなった事件

この「シャッター」と「マグショット」の話はYoutubeハロプロ関係のPVを見ていた時にぼんやりと何の気なしに考えていたものだが、特にメモする訳でもなく完全に忘れていた。そんな折、はてなの運営から一通のメールが届く。以下スクショ。

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お元気ですか?」という文言が珍妙なおもしろさを醸し出している。

最近(再び)漫画の作画に集中していたのでブログ更新をおろそかにしていたのだ。(※完成したらまたこのブログにも上げるよ!)

「げっ、もう一ヶ月経ったのか。早く漫画の最新話完成させなきゃ」とシリアスな気分になった次の瞬間「シャッターとマグショットの話」が一気に、ブワーっとよみがえったのだ。「最近そういえばブログに書くような事を考えていたような…えっと…」

モー娘。のPV」→「マグショット」→「非行少女」→「犯罪」→「時間に関する小道具」→「シャッターはうるさい」→「ドラマの『火花』良かった」

メールをきっかけに以上の連想記憶が一気に噴出したのが本当に面白かった。エントリーに書いた内容にプラスして、その内容を思い出した流れをブログに記録しておこうと思ったのです。

 

はてなからのメールは機械的に自動送信されたものに違いないのだが、結果的に私は言われたとおりエントリーを書くことになった。

今度私も誰かに依頼・催促メールを送る時に「お元気ですか?」から書きだしてみよう。

 

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giphy.com

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